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コラム トナリの暮らし
トナリの暮らし~犬と中学生 2008.09.14

 犬を飼っている家は、5世帯に1世帯。
推定で全国に1252万頭いるらしい。
このところ横ばい傾向だという(ペットフード工業会が
毎年発表している調査結果より)。

我が家にはいないが、両隣にもお向かいのお宅にも
小型犬が暮らしている。
定時に散歩の催促をする鳴き声が聞こえたりして、かわいいものである。
   
    ■ □ ■

ペットロスに苦しんだK子さん。
もう二度と飼うまいと思っていたのに、
ころっとした柴犬の赤ちゃんを見かけて心が動いた。

かつての憔悴ぶりを知っている夫は
のロスを恐れて反対したが、
それを押し切って再び飼い始めた。
初代とそっくりの毛色、姿かたちだったのだ。

 リリちゃんと名付け、散歩を欠かさず、
雨の日にも出かけてゆく。

ある日、ふと思いついて近所の女の子を誘ってみた。
不登校を続けている中学生、
犬と一緒にゆったり歩くことは気にいったようだ。

 それからは毎日、彼女(Aちゃんとしよう)、
庭にいるリリちゃんと遊ぶためにやってきた。
頭や背中をなでて、何か話している。
時にはペット用おやつを持ってくる。

 K子さんは世話をやくのでもなく無視するのでもなく、
その情景を見ていた。
なるべくAちゃんに声をかけるようにしながら。

実はK子さん、元教師である。
職はかなり前にやめ、今仕事はしていない。
高齢者ケア施設で、時々ボランティアをしているが、
活発で有能なリーダーが仕切っているからほんのお手伝い程度だ。

他人の生活に踏み込むことはできないとも感じている。
趣味といってはこれというものがないし、
団が苦手でサークルなどには属していない。
公民館が主催するセミナーに参加したり、
たまに1日ヨガ教室に行ったりの日々である。

 ただ、今の世の中を悪くするような生き方はしたくないと、
真剣に思っている。
何ができるかはわからない。
不登校生を“指導する”なんぞ、しないことは確かである。

 「Aちゃんと話しているうちに、
地域のおばちゃんとしての役割が見えてきたような気がするなあ」。

* ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ *

このコラムは、
Wife」2008年9月号に、河上多恵子が執筆している「トナリの暮らし」を
そのまま載せています。


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