なんだかんだ言っても、素肌の美しさは女性の憧れだ。
白い透明感のある肌が、日本では喜ばれる。
ということで、化粧品市場に医薬品業界も参入、
新しい機能をうたった美白化粧品が次々と登場、売れているらしい。
もともとは30代が買っていたのだが、
このところ中年女性も買うという。
年をとるにつれ、日ごろの手入れが差をつくる―そう思うのだろう。
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ある56歳の女性。もともと皮膚が丈夫で、
にきび体質でもなく、いわゆるスキンケアはほとんどしたことがなかった。
石鹸で洗顔し、ごく普通の化粧水、乳液をつけるだけ。
だが、2年前のある日、顔を洗った後、妙にザラザラ突っ張る。
改めてよくよく鏡を見ると、頬にシミが。
それも3つもある。
何とかしなくちゃ。
そういえば、娘が漢方美顔の店に行っていた。
聞けば「良いよ」と言う。
古い鉛筆ビルにあるサロンへ。
若くてきれいな、たぶん中国人の女性が、パックをしてくれた。
実に気持良く、肌が温まった感じがする。
他人にしてもらうって、こういうことなのね。
1回5000円。
4500円になる回数券を買って、時々だが途切れることなく通った。
肌がしっとりしてきたような気がする。
しばらくすると、日焼け止めと美白クリームを勧められた。
計1万3000円。
2ヶ月続けているうちに、シミが薄くなったようだ。
しばらくぶりに会った知り合いが、「肌がきれいねえ」とほめてくれた。
効果が現われたのだ!
とはいうものの、目尻にしわもできている。
あごのラインもシャープとはいえない。
少女のころのきれいさが戻るわけでもないことは充分承知。
だが何もしないことは、もうない。
「女を捨てるとか捨てないとか、おおげさなことじゃないのよ。
ひそかな自慢があるのが嬉しいの」。
(Wife No.326 2007年7月付)
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このコラムは、
「Wife」に毎号、河上多恵子が執筆している「トナリの暮らし」を
そのまま載せています。