シックスポケット。
1人の子供に、6個の財布が用意されている現象をいう。
ちょっと前に流行った言葉だが、今はエイトポケットである。
つまり、子供の父母、父母それぞれの両親、
父母それぞれの兄弟姉妹が各1人、計8人。
7人だったり9人だったりすることもあるのだが、
ともかく、幼い子から見れば、
じーじばーば、おばちゃん、おじちゃんが、
こぞって喜んでお金を使ってくれる事態になったのだ。
子供の数は少なく、祖父母といえどもまだまだ現役、
非婚の男女も増えてこうなった。
「孫はかわいい」
「あどけない姪や甥はかわいい」。
■ □ ■
4歳を迎えようとしている女の子。
祖母の家で誕生会をしてもらうことになっている。
母親の実家である。
その日は、みんなで動物園に行き、
帰ってから好きなものいっぱいの夕食。
そしてプレゼントをもらうはずだ。
おばあちゃんおじいちゃんからとおばちゃんからのふたつ。
この日のために、大人の間では事前にやりとりがある。
「今度は何がいい?」
「かなを覚えられるようなのがあるかなあ」
「探しておくね」
ネットで「知育玩具」を検索すれば、あるある。
積み木やブロックは昔からの定番だが、
近頃では電子玩具というジャンルができている。
ゲーム機のような本体とソフトが各種。
平仮名、カタカナはもちろん、算数も英語も。
ブロックはもう持ってるからというので、電子機器に決定。
本体は祖父母、ソフトはおばの負担となった。
ラッピングを頼み、配達日を指定するのもパソコンでできた。
ほかに、サプライズギフトが準備されている。
祖母がひそかに買っておいた愛らしいワンピース。
これは母親、つまり娘にも内緒。
デパートでつい目にとまったのだ。
親はとうてい買わないだろうブランド物である。
「いつまでこの子と過ごせるだろう」。
祖母の心にふっとよぎるから、今のうちに何でもしたいと思うのである。
(Wife No.328 2007年11月付)
* ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ *
このコラムは、
「Wife」に毎号、河上多恵子が執筆している「トナリの暮らし」を
そのまま載せています。